9割が負けているとも言われるFX取引。
ほとんどのFX投資家が原資回復ゲームを余儀なくされて、いずれ辞めてしまいます。
今回は、全国のFX経験者1,000人を対象に、FXをやめるに至った理由・生涯取引期間・反省点・専業トレーダーになりたいか?などについてアンケート調査しました。
調査概要
- 調査対象:全国の男女1000人
- 調査期間:2021年2月21日〜28日
- 調査方法:インターネット(クラウドソーシングサービス)による回答
調査結果:最も回答数が多かったもの
- FXの生涯収支は?:
負けている(48.90%) - 現在もFXをやっている?:
いいえ(53.00%) - FXの生涯取引期間は?:
半年〜約1年(44.34%) - なぜFXをやめた?:
損をした・元手を失ったから(33.96%) - なぜFXを続けている?:
勝っている・もっと稼ぎたいから(37.66%) - 専業トレーダーになりたい?:
いいえ(76.20%) - なぜ専業トレーダーになりたくない?:
リスクが高い・収益が不安定だから(32.85%)
約半数の人がFXの生涯収支「負けている」
FXの生涯収支はプラス?マイナス?
FXの生涯収支は「負けている」が48.90%(489人)、「勝っている」が31.10%(311人)、「変わらない」が20.00%(200人)でした。
このデータには、現在はFXをやめている人の過去の取引成績も含まれており、約半数の人が「負けている」と回答しています。
すでにFXやめてしまった退場者は約半数
現在もFXをやっていますか?
アンケート回答者の中で、現在もFXを続けている現役トレーダーは47.00%(470人)、すでにFXやめた退場者は53.00%(530人)でした。
割合で見るとだいたい半々なので、一見するとあまり意味のないデータのように思えます。
しかし、さらにその理由を掘り下げてみたところ、FXトレーダーの実情や心理がとても鮮明に浮かんできました。
FX投資家の約7割が1年以内に退場していた
どのくらいでFXをやめましたか?
無効回答1.70%(17人)あり。
すでにFXをやめている退場者の取引期間は、「半年〜約1年」が最も多く44.34%(235人)、次に多かったのは「半年未満」で24.72%(131人)でした。
約70%の人が1年以内には退場しており、短い人だと1日〜数日でやめてしまった人もいます。「約9年以上」のベテラントレーダーは、1.13%(6人)しかいませんでした。
この後の「なぜFXをやめてしまったのですか?」の理由と照らし合わせると、まだFXというものを全然理解していない駆け出しの時期に、元手資金を溶かしてしまった人が大多数であることが分かります。
元手資金がなければ取引の経験は積めませんので、初心者の人は大きな利益を求める以前に、資金管理の方法を何よりも優先して学ぶ必要性があるのではないでしょうか。
FXをやめた理由第1位「損をした・元手を失ったから」
なぜFXをやめてしまったのですか?
FXをやめた理由で最も多かったのは、やはり「損をした・元手を失ったから」で33.96%(180人)です。
次に多かったのが「思ったほど上手く稼げないから」で17.17%(91人)でした。
損益以外の理由では、「知識不足・資金不足を痛感したから」「リスクが高く怖くなったから」「自分には向いていないと感じたから」など、厳しい現実を突きつけられて退場した人もいます。
また、「本業や日常生活に支障が出たから」「疲れた・飽きた・やる気を失ったから」など、生活面や精神面に悪影響が出てしまった人も多いようです。
地味な作業に耐えられない、ずっとチャートを見ていられない、メンタルが崩壊したという人もいます。
一方で、「他にやりたいことがあるから」「別の投資を始めたから」「利益が出た・目標に達したから」と、前向きな理由で撤退した人はほんのごく一部です。
FXを続けている理由第1位「勝っている・もっと稼ぎたいから」
なぜFXを続けているのですか?
FXを続けている理由で最も多かったのは「勝っている・もっと稼ぎたいから」で37.66%(177人)、次に多かったのが、「楽しいから・趣味だから」で12.13%(57人)でした。
また、FXを続けられている人の多くは、損益にかかわらず取引・情報収集・分析のサイクルを、ライフスタイルに上手に取り入れられているのも特徴です。
特に、自分でルールを決めて取引をルーティーン化し、マイペースに続けている人は成績も良い傾向にありました。
「副業としてやっているから」「経済やお金の勉強になるから」など前向きな理由で続けている人も多く、「なんとなく・暇つぶし・遊び感覚だから」「資金がなくならないから」「マイペースでのんびりやっているから」など、気楽に取引を楽しんでいる人もいます。
また、「まだ目標に達していないから」「長期運用・分散投資だから」など戦略的な理由から続けている人がいる一方、「損失・教材費・借金を取り戻したいから」という、やめるにやめられない泥沼状態で取引を続けている人がいるのも気になりました。
専業トレーダーになりたい人は23%だけ
FXだけで生活する専業トレーダーになりたいですか?
「専業トレーダーなりたいですか?」という質問に対しては、「いいえ」と回答した人が圧倒的で76.20%(762人)でした。
「はい」と回答した人は23.80%(238人)に過ぎません。
FXを経験した上で半数以上の人が「専業トレーダーにはなりたくない」という結論に至っているのはとても興味深いデータです。
さらに、その理由を掘り下げてみると、トレーダーのFXに対する理想と現実が浮き彫りとなりました。
専業になりたい理由は「働きたくない・不労所得を得たい」
なぜ専業トレーダーになりたいのですか?
専業トレーダーになりたい人の理由は、とても楽観的です。
最も多かったのは「働きたくない・不労所得を得たい」で27.31%(65人)、次に多かったのは「時間的・経済的余裕が欲しいから」で24.37%(58人)でした。
職業として専業トレーダーに魅力を感じている人はとても少なく、「投資家として生きていきたいから」と回答した人は6.72%(16人)に過ぎません。
また、中には「人間関係が苦手・疲れたから」「病気や健康リスクのため」「自分にもできそうだから」など、消去法で専業トレーダーを選ばざるを得なかったという人もいました。
専業になりたくない理由は「リスクが高い・収益が不安定だから」
なぜ専業トレーダーになりたくないのですか?
専業トレーダーになりたくない人の理由はとても現実的で、経験に基づく割り切った意見ばかりです。
最も多かったのは、やはり「リスクが高い・収益が不安定だから」で32.85%(250人)、次に多かったのは「副業・趣味に過ぎないから」で16.03%(120人)でした。
その他にも「現実的ではないと痛感したから」「負けたから・稼げないから」「自信がない・大変そうだから」「資金・知識・時間がないから」という理由があることから、やはりFXが一筋縄ではいかない金融商品であることが表れています。
また、人数は少ないものの、「精神的に疲れるから」「向いていない・合わないから」「つまらない・生きがいを感じないから」「やはり労働にやりがいを感じるから」「人や社会との繋がりを失うから」といった意見には注目です。
つまり、FXを長く続けられるかどうかには個人差があり、資金やテクニックだけでなく、その人の性格・人生観・その時々のライフスタイルなどからも大きく影響を受けるのです。
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