海外FX Wikiでは、現役FXトレーダー1,000人を対象にFXの勝ち負けやトレード傾向などについてのアンケート調査を行いました。
最初に結論を述べると以下の通りです。
- FX生涯収支は男性より女性の方が成績が良かった
- 資金が少ない男性ほどリスクをとって負けている
- 年齢が上がるほど負けている人が増える
- 自由に時間を使える職業の人は成績が良い
- 分散投資せずFXだけやる人の方が負けが少ない
FX生涯収支は男性より女性の方が成績が良い
今回の調査結果では、回答者全体のFX生涯収支は、「勝っている」が23.6%、「負けている」が52.7%、「変わらない」が23.7%でした。
次に、先程のFX生涯収支を男女別で集計したところ、意外な事実が浮かび上がりました。
「勝っている」の割合は、男女ともに約24%と同じですが、女性のほうが「負けている」が約15%少なく「変わらない」が約15%多かったのです。
この結果から、性別の違いが少なからずFXの生涯収支に影響を与えている可能性が出てきました。
ここからはさらに調査を深掘りして、その結果からわかった事実を紹介します。
調査項目は先ほどご紹介した「FX生涯収支」に加えて以下の6項目。
- 年齢
- 性別
- 職業
- 分散投資の有無
- 現在の証拠金残高
- 実効レバレッジ(実際にかけているレバレッジ)
(それぞれの項目に対する調査結果は後述する「FXトレーダーの調査分析」に記載)
資金が少ない男性ほどリスクをとって負けている
証拠金残高と実効レバレッジの関係性を男女別に集計しました。
寒色系になるほど実効レバレッジが低く、暖色系になるほど実効レバレッジが高いことを表しています。
基本的に「実効レバレッジが高いほどロスカットのリスクが高い運用をしている」と考えてください。
男女のグラフを比べてみると、「男性は25倍以上が多く、1倍・2倍の割合が少ない」「女性は25倍以上が少なく、1倍・2倍の割合が多い」といった特徴があることがわかります。
また、男女問わず資金が少ない人ほどハイリスクな取引を好む傾向にありますが、男性のほうがより一層その傾向が強いようです。
つまり、男性は「少額取引+高い実効レバレッジ」が損失の増加に繋がっている可能性が考えられます。
前述した男女別のFX生涯収支において、男性よりも女性のほうが「負けている」が約15%少なく「変わらない」が約15%多いのは、このようなリスクマネージメントの違いが大きく影響しているのかもしれません。
年齢が上がるほど負けている人が増える
年齢とFX生涯収支の関係性を見ると、年齢が上がるにつれて徐々に「負けている」が増えています。
一般的には「何事も経験を積めば自ずと結果もついてくるはず!」と考えると思いますが、調査結果はその逆です。
若い人ほど成績が良い理由は、「比較的時間的な余裕がある」「ビギナーズラック」などが考えられます。
年齢が上がるにつれ成績が落る理由は、「単純に負けが蓄積されている」「過去の負けを挽回できていない」「FX自体が合わなくなる」「別の金融商品にシフトしている」といった理由が考えられます。
確実に言えるのは、多くの人が経験を利益に繋げられていないということです。
男女別に集計しても、年齢が上がるにつれて「負けている」が増えているのは男女共通していました。
しかし、50代女性のみ「勝っている」の割合が約8%回復しています。
自由に時間を使える職業の人は成績が良い
職業とFX生涯収支の関係性では気になるパターンがあります。
「勝っている」の割合が30%を超えているのは「自営業」「学生」のみ。
つまり、比較的時間を自由に使えることが利益に結びついているのではないかと考えられます。
さらに男女別に集計したところ、「学生」以外は女性のほうが「勝っている」の割合が多いことが判明しました。
特に「自営業」「専業主婦」「無職」の成績が非常に良いです。
このことからも、やはり比較的時間を自由に使えることが利益に結びついているのではないかと推測できます。
分散投資せずFX専門の人の方が負けが少ない
投資対象を多様化させる分散投資の有無とFX生涯収支に、気になる関係性があります。
分散投資をしてても、してなくても、FXで「勝っている」の割合はどちらも約23%と変わりません。
しかし、分散投資をしていない、つまりFXだけを取引してる人の方が、「負けている」が約12%少なく「変わらない」が約12%多いのです。
資産配分を意識し過ぎるあまり、 FXの運用が疎かになり生涯収支が落ち込んでいるのかもしれません。
さらに男女別に集計したところ、先程のパターンが顕著に現れたのは女性のほうでした。
男性は分散投資の有無が、FX生涯収支にはあまり影響していません。
しかし、分散投資をしていない女性は分散投資している女性よりも、FXで「負けている」の割合が約15%少なく、「変わらない」の割合は約20%も多いのです。
分散投資をせずFXだけに集中することで、リスクの軽減に成功しているようです。
FXトレーダーの調査分析
男女比は男性約65%・女性約35%
現役FXトレーダーにはどのようなタイプの人が多いのか特徴を知っておきましょう。
男女比は、男性が64.8%(648人)、女性が35.2%(352人)でした。
年齢は男女ともに30代がピーク
年齢は「30代」が最も多く、男性239人、女性140人、合計379人で、全体の約38%を占めていました。
次に多いのが「20代」で、男性163人、女性104人、合計267人、全体の約27%です。
10代からFXを始めている人はごく少数で、男女合わせても7人のみ。
20代からは徐々に増えていき、30代でピークに達します。
今回の調査では40代からは次第に減少していき、70代以降となると合計しても2人しかいません。
男女比は、どの年代も同じような割合でした。
職業は会社員・派遣社員が半数を占めている
職業は、「会社員・派遣社員」が最も多く、男性408人、女性147人、合計555人で、全体の約56%を占めます。
次に多いのが「自営業」で、男性98人、女性23人、合計121人、全体の約12%です。
あとは「専業主婦/主夫」「パート・アルバイト」「学生」「無職」の順番に減少してきます。
男女比は、「専業主婦/主夫」「パート・アルバイト」以外は、どの職業も同じような割合でした。
「専業主婦/主夫」「パート・アルバイト」だけは、女性の割合が圧倒的に多いです。
分散投資をしている人は男性が多い
分散投資の有無を男女別に集計したところ、分散投資をしている割合は男性が約61%(398人)、女性が約45.5%(160人)でした。
年代が上がるにつれて分散投資をしている割合が増えていくのは男女共通です。
しかし、女性のほうが分散投資をしていない割合が約16%も多い結果となりました。
分散投資は、複数の金融商品を組み合わせたポートフォリオを作成して運用します。
回答者の中には一人で5、6種類もの金融商品を運用している人もおり、全て集計すると男性517件、女性207件、合計724件。
「株式」が最も人気で、男性が233人、女性が79人、合計312人で、金融商品全体の約43%も占めています。
その次に多いのが「投資信託」で、男性111人、女性55人、合計166人、金融商品全体の約23%。
「仮想通貨」に投資している人も多く、男性62人、女性13人、合計75人で、金融商品全体の約10%。
「NISA」「不動産投資」「バイナリーオプション」の利用者も一定数います。
アンケート回答者の男女比(男性約65%:女性約35%)から考えると、NISAだけは女性の割合が多いようです。
残りの金融商品は、多くても10人前後とまばらです。
ちなみに何の金融商品に投資するかは情報収集能力以外にも、人生経験、人間関係、価値観、資産の種類、営業マンやアドバイザーの有無などにも大きく影響を受けます。
そのため、参考までに金融商品と年齢の関係性も見ておきましょう。
20代〜60代まで幅広い年代に人気があるのは、やはり「株式」「投資信託」といった王道商品です。
また、利用者は少ないのですが、「外貨預金も」年代によってそれほど偏りはありませんでした。
反対に、20代・30代に圧倒的に人気だったのが「仮想通貨」です。
また「バイナリーオプション」「NISA」「不動産」も比較的若い世代に人気です。
業界では新しい投資の形として「ソーシャルトレード」や「ロボアドバイザー」が注目されていますが、今回のアンケートでは利用者は10人以下でした。
証拠金残高は10万円以上〜50万円未満が最も多い
FX口座の証拠金残高は「10万円以上〜50万円未満」の人が最も多く、男性273人、女性134人、合計407人で、全体の約41%を占めています。
次に多いのが「50万円以上〜100万円未満」「100万円以上〜200万円未満」で、合計すると全体の約35%です。
また、少額取引が可能なFXだけあり、「1万円未満」「1万円以上〜5万円未満」「5万円以上〜10万円未満」で運用している人も全体の約16%いました。
300万円以上の証拠金残高の人は、全体の約4%程度に過ぎません。
実効レバレッジは2倍が最も多い
実行レバレッジは「2倍」が最も多く、男性150人、女性119人、合計269人で、全体の約27%でした。
次に多かったのが「3倍」の約16%、「4〜5倍」の約16%、「1倍」の11%です。
理想的な実効レバレッジの倍率には諸説ありますが、一般的には10倍以下が安全圏とされています。
このアンケートでも実効レバレッジ10倍以下と回答した人は多く、全体の約73%を占めます。
しかし、残りの27%の人はかなりリスクをとった運用をしており、100倍以上というギャンブルに近い取引をしている人も全体の約5%いました。
国内業者は最大レバレッジが25倍までに規制されており、それ以上のレバレッジをかけている人は海外業者を利用していると思われます。
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