kucoin(クーコイン)は、2023年11月時点で現物取引ボリュームが世界第5位、デリバティブ取引ボリュームが世界第4位であり、世界トップレベルの仮想通貨取引所として人気があります。
世界のkucoinのユーザー数は2,000万人以上で、現在もユーザー数の規模を拡大させています。
しかし、日本国内のユーザーにとって、kucoinは海外の仮想通貨取引所であるという点や、金融庁の認可を受けていないため、信頼性や安全性について疑問に思う方も多いでしょう。
そこで本記事では、kucoinの信頼性や安全性に加えて、kucoinのメリット・デメリットなども含めて解説していきます。
取引所名 | kucoin(クーコイン) |
---|---|
本社登録国 | セーシェル諸島 |
設立年 | 2017年 |
ユーザ数 | 2,000万人以上 |
公式サイト | https://www.kucoin.com/ja |
kucoinの信頼性と安全性
まず初めに、kucoinの信頼性と安全性について見ていきましょう。
本人確認(KYC)を義務化
kucoinでは、仮想通貨取引所としての安全性向上、マネー・ロンダリング防止などを目的に、2023年から本人確認(KYC)を全ユーザーに義務化しています。
すべてのユーザーの身元が明らかになった状態で運営できるため、kucoinの透明性が高まるきっかけにもなりした。
kucoinでは、本人確認なしでもユーザー登録はできますが、実際の現物・先物取引だけでなくすべてのサービスを利用できません。
そのため、仮想通貨取引所としてkucoinを利用するためには、必ず本人確認が必須となっています。
義務化前に登録していたユーザーも本人確認が新たに必要で、本人確認を済ませるまでは、新規ポジションの発注やkucoinへの入金などが利用できない制限があります。
プルーフオブリザーブ(PoS)で十分な残高を確保している
kucoinでは、ユーザーの資金を適切に保管していることを証明するために、ブロックチェーン技術を利用して口座保有残高の公開を行っています。
口座残高を公開する(プルーフオブリザーブ)をすることで、ユーザの資金を悪用することなく、すべての資金が安全であることを証明して、運営体制の透明性を示しています。
プルーフオブリザーブでの口座残高の公開は、定期的に行われており、その都度公式サイトに記載されています。
また、kucoinの口座残高を分析するために、第三者機関の調査を受けており、第三者機関からの調査内容もプルーフオブリザーブの内容とあわせて公式サイトで同様に公開されています。
金融ライセンスは取得していない
海外の仮想通貨取引所では、アメリカのcoinbaseはもちろんのこと、シンガポールに拠点を置いているBitgetなどもアメリカなどでの金融ライセンスをすでに取得しています。
また、アメリカ以外にもカナダやドバイ、ヨーロッパ諸国などの金融ライセンスも積極的に取得している仮想通貨取引所も多いです。
しかし、kucoinは2023年11月時点では、どの国の金融ライセンスも取得していません。
取得できていないというよりは、取得するための申請をしたとの報道やアナウンスがありません。
マネーロンダリング防止などの観点で、厳格な審査をクリアした場合のみ金融ライセンスを取得できるため、金融ライセンスは、仮想通貨取引所自体の安全性や信頼性を評価するうえで重要な指標にもなっています。
今後、kucoinがどこかしらの国の金融ライセンスを取得する動きがあるかどうかは、安全性や信頼性という観点では、とても注目されるポイントです。
過去にはハッキング被害を受けている
2020年9月25日にkucoinは、被害総額2億7500万ドル以上のハッキング被害を受けています。
このハッキング事件は、kucoinが資金を保管しているウォレットにアクセスするためのキー(秘密鍵)を不正に入手されてしまったことが原因で、ウォレット内の資金が引き出されてしまいました。
迅速な対応の結果、被害金額は1億4000万ドルまで縮小することができましたが、多くのユーザーが被害を受ける結果となりました。
後日、kucoinはセーフガードプログラムを発動して、ハッキング被害を受けたユーザーなどへの補填を発表して、全額保証できたためこれまでも仮想通貨取引所として運営できています。
ハッキング事件を引き起こしてしまった過去がありますが、事件以降はkucoinの資金保管体制も見直されて、より安全なコールドウォレットでの資産管理などが徹底されるようになりました。
2018年には日本からは一時的にアクセス禁止
2023年11月時点では、日本国内からでもkucoinを問題なく利用できます。
しかし、2018年6月にkucoinは、日本からのアクセスを一時的に禁止する措置をとったこともあります。
禁止した理由などは公表されていないため、詳細は不明です。
それ以降は、kucoinは問題なく利用できますが、金融庁の認可を受けていないのも事実です。
2023年には金融庁から直々に、無登録業者に対しての警告文が通知されました。
警告文の中では、無登録業者としてkucoin以外にも、Binanceや Bybitなども含まれていました。
金融庁からの認可を受けているから絶対的に安全というわけではないですが、Binanceのように日本での運営開始に向けて金融庁の認可を受ける動きがあるかどうかも注目されます。
今後、もう一度日本からのアクセスが禁止される可能性がないわけではないので、kucoinからの公式の発表などには注意しておきましょう。
kucoinの実際の評判
続いて、SNSの情報からkucoinの実際の評判を見ていきます。
アルトコインの取り扱いが豊富
kucoinは買いたいアルトコインがメインの取引所にない時に重宝するかも。
— 全財産暗号通貨 (@crypto__web3) October 15, 2021
kucoinの特徴の一つでもある取扱い銘柄数の豊富さについて満足と感じている口コミはいくつもあります。
国内の仮想通貨取引所を利用していたユーザーにとっては、kucoinを利用することで分散投資や新しい分野の仮想通貨へ投資する機会が増えます。
日々kucoinで取り扱っている銘柄数は増えているため、定期的に新規上場銘柄なども確認してみるといいでしょう。
すぐに出金が完了
Kucoinから秒で出金
— FIN WOOD (@0xFINwood) March 9, 2023
仮想通貨取引所を利用しているときに不安に感じやすい手続きに出金手続きが挙げられます。
出金手続きから実際の出金までに時間がかかると、うまく送金できているか不安に感じることも多いです。
しかし、この方の口コミのように、kucoinではスムーズに出金手続きが完了していることが分かります。
スムーズな出金手続きができるkucoinは、ストレス少なく利用できる仮想通貨取引所でしょう。
レンディングサービスで利益が出ている
貸し額少しふやしたけど、
一日で結構利益でてるわ!
弱点はドルが下がると、資産がへります!#CryptoLending #kucoin pic.twitter.com/o6naMQoaGZ
— わに ドル円 モデルY (@naoiro0707) August 21, 2021
kucoinでは、レンディングやステーキングなどの資産運用サービスも幅広く提供しています。
この方のように、レンディングサービスなどをうまく活用して保有している仮想通貨を運用すると、効率よく利益を増やすことができます。
長期間での保有を目的に保有している仮想通貨は、kucoinのステーキングやレンディングなどの資産運用サービスを積極的に利用してみてもいいでしょう。
kucoinのコピートレードで稼げた
#XETA
kucoinのbotで250$分運用で、
約20日で70$の利益。毎月何もせず100$見込めたら、美味しい。
ステーキにも回したい気もしますが、、😅 pic.twitter.com/AJ5kBT7EJa— yukia-7 ❤️ Memecoin (@yukia_7) January 19, 2023
kucoinでは、レバレッジ取引以外に、コピートレードにも対応しています。
トレードに関しての知識がない方でも、kucoinのコピートレードを利用すると稼げるチャンスが増えます。
この口コミの方のように、kucoinのコピートレードを利用すると、今まで以上に利益を稼げるようになる可能性を秘めています。
kucoinのメリット
続いて、kucoinのメリットをまとめました。それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
取引手数料が圧倒的に安い
kucoinの最大の特徴としては、仮想通貨取引のときに発生する取引手数料が圧倒的に安い点が挙げられます。
kucoinでは、現物取引には一律0.1%の取引手数料がかかります。
さらには、kucoinの独自トークンであるKCSトークンを保有すると手数料割引の特典を受けられます。
KCSトークンの保有量によって割引率は変わりますが、最低で0.025%での取引手数料で取引できるようになります。
取引手数料は、BybitやBitgetなどのほかの海外の仮想通貨取引所と比較しても安いことがわかります。
現物取引手数料 | 先物取引手数料 | |
---|---|---|
kucoin | メイカー:0.1% テイカー:0.1% | メイカー:0.02% テイカー:0.06% |
Bybit | メイカー:0.1% テイカー:0.1% | メイカー:0.03% テイカー:0.06% |
Bitget | メイカー:0.1% テイカー:0.1% | メイカー:0.014% テイカー:0.042% |
取り扱い銘柄数が豊富
kucoinは、ビットコインやイーサリアムなどの主要な仮想通貨銘柄はもちろんのこと、さまざまなアルトコインも取り扱っており、全体750種類以上の銘柄を取引できます。
kucoinは取り扱い銘柄数でも、BybitやBitgetなどと比較しても豊富なことがわかります。
kucoinを利用すれば、有望なトークン以外にも、草コインといわれるアルトコインも不自由なく取引できるでしょう。
分散投資をしたい方、やミームコインなどを取引したい方にとって、kucoinの取り扱い銘柄数の多さはとても魅力的でしょう。
取引所名 | 取り扱い銘柄数 |
---|---|
kucoin | 750種類以上 |
Bybit | 150種類以上 |
Bitget | 600種類以上 |
レバレッジ倍率は最大125倍
kucoinは、現物取引以外にも、無期限先物取引を活用したレバレッジ取引にも対応しています。
kucoinのレバレッジ取引は、最大で125倍のレバレッジをかけて取引できます。
そのため、少ない証拠金でも大きなリターンを手にするチャンスがあります。
国内の仮想通貨取引所でもレバレッジ取引に対応している場所はありますが、最大で2、3倍のレバレッジしかかけられません。
そのため、レバレッジ取引を積極的に行いたい方は、kucoinの無期限先物取引を利用してみるといいでしょう。
ステーキングなどの資産運用サービスが充実
kucoinは、ステーキングはもちろんのこと、ローンチパッドなどの多くの資産運用系のサービスを提供しています。
ステーキングでは、多くの銘柄を預け入れて運用利回りを受け取れるため、長期保有目的で保有している仮想通貨も効率的に運用できます。
kucoinのローンチパッドのプラットフォームは、新規上場を控えた銘柄を上場価格よりも安い価格で購入できます。
kucoinの運営による厳格な審査をクリアした銘柄だけが、kucoinのローンチパッドで購入できるため、詐欺コインを買ってしまうリスクも減らせます。
ローンチパッドで取り扱われた銘柄は、その後kucoinをはじめとしたいくつもの仮想通貨取引所で上場することで、大きな価格上昇が見込めます。
有望なプロジェクトが発行する仮想通貨銘柄がローンチパッドで販売されるときは、積極的に利用してみてもいいでしょう。
独自ネットワークKCCを構築
kucoinは、イーサリアムネットワークをベースとした独自の仮想通貨ネットワーク「KCC」を運営しています。
イーサリアムネットワークは、利便性や安全性が高い反面、ネットワーク手数料の高騰やネットワーク処理速度の低下が問題視されています。
しかし、kucoinのKCCは、独自に開発したネットワークで、イーサリアムよりも手数料や処理速度の面で優れています。
分散型金融(DeFi)のサービスも提供しているため、kucoinを利用すれば分散型取引所(DEX)も利用できます。
kucoinのような中央集権的な取引所(CEX)とDEXでは、それぞれに特徴がありますが、kucoinではその両方が利用しやすい環境が整っているため、CEXとDEXの使い分けもできます。
kucoinが発行した独自トークンKCSトークンは、独自ネットワークKCC上で使用される基軸通貨としての役割も担っています。
基軸通貨として使用されるためトークンに対しての需要が高く、トークン価格が下落しにくいです。
独自トークンKCSで特典を受けられる
kucoinは独自トークンであるKCSトークンを発行しており、KCSトークンを保有しているユーザーに対してさまざまな特典を付与しています。
kucoinでの取引手数料が割引されるだけでなく、kucoinの全体の取引手数料の一部をトークン保有者に付与するという特典もあります。
kucoinをメインの仮想通貨取引所として利用する方であれば、独自トークンのKCSトークンを保有するとさらに魅力的な仮想通貨取引所としてkucoinを利用できるでしょう。
VIPレベル | 現物取引手数料 | 先物取引手数料 |
---|---|---|
レベル0 | メイカー:0.1% テイカー:0.1% | メイカー:0.02% テイカー:0.06% |
レベル1 | メイカー:0.09% テイカー:0.1% | メイカー:0.015% テイカー:0.06% |
レベル2 | メイカー:0.07% テイカー:0.09% | メイカー:0.01% テイカー:0.06% |
レベル5 | メイカー:0% テイカー:0.07% | メイカー:0% テイカー:0.04% |
レベル10 | メイカー:-0.005% テイカー:0.035% | メイカー:-0.009% テイカー:0.03% |
レベル12(最大) | メイカー:-0.005% テイカー:0.025% | メイカー:-0.015% テイカー:0.03% |
日本語表記に対応している
kucoinは以前から日本語表記に対応していましたが、不自然な表記などがあり完全には日本語に対応できていませんでした。
しかし、2023年からは日本語に完全に対応して、サポートセンターなども日本語でのサポートを受けられるようになっています。
海外の仮想通貨取引所を利用するときの一番の不安として、トラブルが起こることが挙げられますが、サポートセンターも含めて日本語に対応したkucoinであれば、国内の仮想通貨取引所と似た感覚で利用できるため安心です。
kucoinのデメリット
kucoinには多くのメリットがある一方で、以下のようなデメリットに注意が必要です。
日本円を直接入出金できない
kucoinをはじめとして海外の仮想通貨取引所では、国内の銀行口座から直接日本円を入出金できません。
kucoinへ資金を入金するためには、国内の仮想通貨取引所からkucoinへ仮想通貨を送金する方法と、kucoinでクレジットカードを使用して仮想通貨を購入する方法のどちらかを行う必要があります。
kucoinから資金を引き出すときは、kucoinから国内の仮想通貨取引所へ仮想通貨を送金しなければいけません。
そのため、銀行口座から直接入出金できる国内の仮想通貨取引所に比べて、慣れるまでは手間に感じたり、ハードルが高く感じる方も多いでしょう。
また、仮想通貨の送金手続きは、原則自己責任なので、手続き内容にミスがあった場合は、最悪送金した仮想通貨を紛失するリスクがあります。
クレジットカードを利用してkucoinで仮想通貨を購入する場合は、MasterCardもしくは VISAに対応しています。
10-5000ドルの範囲であれば、好きな金額でビットコインをはじめとした仮想通貨を購入できます。
USDT | USDC | BTC | ETH |
AVAX | DOGE | DOT | FTM |
KCS | LINK | LTC | SHIB |
XMR |
金融ライセンスを持っていない
kucoinは、仮想通貨取引所としての信頼性の指標になっている金融ライセンスを取得していません。
そのため、金融ライセンスを取得しているBybitやBitgetなどのほかの主要な海外の仮想通貨取引所に比べて、安全性や信頼性という観点では注意が必要です。
過去には、ハッキング被害を受けたこともありますが、全額補填してさらなるセキュリティ面の強化に努めているため、以前よりは安心できるでしょう。
今後、kucoinからの公式アナウンスで金融ライセンス取得関連のニュースには注目されます。
再度アクセスできなくなる可能性もある
2018年に日本からkucoinへのアクセスが禁止になったため、今後もう一度アクセス禁止になることを懸念している方も多いです。
これまでにも、bitfinexやOKXなど世界的な仮想通貨取引所への日本からのアクセスを禁止されてしまっている事例もあります。
金融庁からの認可を受けずにサービス提供していることも、アクセス禁止になっている理由の1つと考えられているため、今後もkucoinが日本からアクセス禁止になる可能性はゼロではありません。
そのため、実際にkucoinが日本からアクセス禁止になったときに備えて、kucoinから資金を移す仮想通貨取引所なども事前に検討しておくといいでしょう。
もし、kucoinへのアクセスが禁止になることになったとしても、その日からすぐにアクセス禁止になることはなく、1カ月などの猶予が与えられることがほとんどなので、禁止の発表があったとしても落ち着いて行動するようにしましょう。
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