プロフィットファクター(profit factor)とは、総利益を総損失で割ったもの(プロフィットファクター = 総利益 / 総損失)として定義されます。
例えば、初期投資額100万円に対して過去1年間の取引システムの総利益が200万円、総損失が100万円であった場合、プロフィットファクターは2.0になります(200万円/100万円=2)。
また同じことですが、100万円を失うリスクをかけた状態で200万円の利益が期待できるとも言い換えることができ、お客様のお金を預かって運用するヘッジファンドなどではそもそもリスクをヘッジ(避ける)して利益を生み出そうとするため、プロフィットファクターが2.0を下回るとリスクが高すぎると評価されることが多いようです。
プロフィットファクターが2.0を上回っていることが理想ですが、そのようなシステムを見つけるのは難しいのでそこまで神経質になる必要はありません。
目安としては通常1.5を超えていれば合格と考えていいと思います。
もしプロフィットファクターが1.0だと、「100万円を失うリスクを取りながら結果的に100万円が残る」というマイナスはあっても決してプラスにはならないシステムなので価値はありません。
ましてやプロフィットファクターが1.0を下回るシステムは使い物にならないことはお判りでしょう。
次の画像はあるシステムのフォワードテストのレポートです。Gross Profitの項目の下に赤枠で囲んでいるProfit Factorと記載されている項目がプロフィットファクターです。
このレポートではプロフィットファクターが6を超えていますが、通常3を超えるときはカーブフィッティング(過剰最適化)を疑う必要があります。
では少し観点を変えて別の方向からプロフィットファクターを見てみましょう。
- 年間の純益が100万円になるシステムA
- 年間の純益が50万円になるシステムB
純益だけで見ればAのほうを選ぶ人が多くなるでしょう。
それではプロフィットファクターがそれぞれAは1.2、Bは2.0であるとしたらどうなるでしょうか?
プロフィットファクターが1.2のAシステムは総利益/総損失=1.2ですから、100万円の純益を生み出すために83%以上の損失が前提となります。600万円の総利益があり、そこから500万円の総損失が引かれ100万円が残るという仕組みです。
一方Bシステムはプロフィットファクターが2.0なので前提となる損失の見込みは50%で済みます。50万円の純益は100万円の総利益を出し、50万円の損失が引かれることで実現できます。
一見純益が高いAシステムの方に目が行きがちですが、プロフィットファクターが高いBシステムでレバレッジを2倍にすれば33%以上も小さいリスクで同じ純益をあげることができますし、レバレッジを6倍にすれば総利益600万円に対して総損失が300万円になるためAシステムの3倍も利益が出せることになります。
これでプロフィットファクターが純益と比べ、いかに重要なものなのかということがお分かりいただけたと思います。
より厳密にシステムの良し悪しを見ていくためにはドローダウンも見ていく必要がありますので、続いてドローダウンについて解説します。
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